連載特集:
商談の成功率というモノサシを持てば、多くが学べ、課題が発見できる

2014年10月8日[連載特集:営業のPDCA]

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商談に成功することはほんとうにうれしいことです。それまでの努力が報いられ、やりがいを感じる瞬間です。しかし、何を成功と見なすのかは業種や営業スタイルによっても違ってきます。

成功率をとらえ、営業プロセスの改善点を発見するということでは、よくパイプライン分析が紹介されています。ニーズの探索から着手した案件が、どれぐらい成約・受注にいたったかだけでなく、どれぐらいのステップにわけるのかはビジネスによって異なってきますが、その過程のプロセスで、たとえば提案、見積もりのステップがあるとすれば、どれぐらいの案件が次のステージにステップアップできたのかの成功数や成功率やを見て、どのプロセスがネックになっているのかもわかってきます。またステップアップに要した日数を見ることでも、なにを改善すべきかも見えてくるというものです。また、成功率から見て、それぞれのプロセスの手持ち案件数がどれぐらい必要かも逆算で把握することも可能になってきます。パイプライン分析が可能なビジネスでは、刻々と変化する売上見込もかなり高い精度でわかってきます。

パイプライン2

しかし、実際にはそういった案件管理ができるビジネスばかりではありません。パイプライン分析が広がったのは主にIT企業ですが、IT企業でも一案件の受注に複雑なステップや臨機応変な攻め方を必要とする企業では教科書通りにはつかえません。

ただ、そのような企業でもなにかを商談の成功とみなして管理していることがほとんどです。たとえば、ルートセールスといわれる営業でも、新製品を紹介して、どれだけの企業が関心を示し、サンプル提出や見積依頼がきたのかなど、どの得意先がどのステージにあるのかを把握することができます。

しかし、複数の商品を紹介しているために、複数の案件が同時進行していて、それらのひとつひとつを案件として管理するには煩雑すぎることもあります。SFA「アクションコックピット®」はそれらのソリューションも提供していますのでシステム次第ではあきらめていた案件の進捗管理も可能です。
また、商談で相手先からの反応を聴くことはできても、ほんとうに購買につながるニーズがあったのかどうかはわからず、それぞれの得意先からのなんらかの反応を待つしかないということもあります。

消費財なら、販促企画案を提案して、どの得意先が、またどれぐらいの企業が採用したか、あるいはその販促企画の効果で、棚のフェイスがどれぐらい増え、またお店からの払い出しがどれぐらい増加したのかなどをとらえ、なにが効果があったのかを分析するということもあります。

また、営業活動が新規開拓を主としているのなら、どれだけの顧客にアプローチして、どれぐらいの顧客獲得ができたかが成功率になってきます。

なにを成功と見るのかは異なっても、大切なことは、なんらかを目標の指標として、その成功率から課題を発見するという視点をもつと、さまざまなことが学べ、より効率的な営業方法を追い求めることができるようになります。

では、成功率の視点を持つことで、どのような発見ができるのでしょうか。

成功率

第一は営業スキルをあげるための課題の発見です。成功率の高いメンバーとどのように商談を進めたかを比較すれば、課題も見えてきます。
第二は、商品やサービスの紹介や提案内容の何に魅力があったのかの発見です。いくつかの切り口をそれぞれのメンバーが試行錯誤しているはずで、どのような紹介方法や提案への反応がよかったのか、またよくなかったのかを比較すれば、多くのことが学べます。
第三は、ほんとうのターゲットは、どのような顧客なのかの発見です。提案をうけいれてくれた顧客とそうでない顧客を比較すれば、なんらかの顧客の特徴が見えてきます。成功率の高い顧客の特徴がわかれば、成功確率の高そうな顧客に集中したアプローチが可能になってきます。
第四は、競合先との競争力の発見です。どのライバルと比較されているのか、またそれぞれのライバルとの競合での勝敗も見えてきます。あるITのグローバル企業では、ライバルの組合せによって受注確率の統計をとり、成功率の予測を行なっているところすらあります。
第五は、商品力やサービス力を把握し、どの商品やサービスに集中することが効率的かを発見することにもつながってきます。

成功率という視点や尺度をもてば、基本はなぜ成功したのか、また逆になぜうまくいかなかったのかを考える動機が生まれてきます。しかも、ひとりひとりでは成功と失敗の原因がわからず悩んでいたことが、メンバー間で情報交換し、情報を共有することでより多くのことが発見できるようになってきます。

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