SFAは、営業活動にメリハリをつくるツール

2012年7月17日[SFAとは]

訪問件数が不足しているのなら、訪問件数の目標を増やし、訪問件数を追求すればいいのですが、しかし実際には、訪問数だけを追求していると、商談時間が短くなり、商談の中味が希薄になってしまうという弊害もでてきます。

冗談のような話ですが、ある会社の会長さんが訪問件数にこだわる方で、営業の訪問件数が少ない事が不満で、月に何件の訪問をしなさいと号令をかけたのはいいのですが、その結果顧客との関係を悪化させてしまったのです。会長が求めた訪問件数を達成する顧客数がないために、同じ顧客に毎週のように訪問していたのですが、顧客のほうから、そんないつもいつも相手にする暇はない、いったいどうなっているのだというクレームが続出し、重要な顧客からも、出入り禁止になってしまったというのです。成果がでて売上が上がるどころか逆効果でした。

その会長さんの気持ちもわからないではありません。かつてチャレンジした消費財の分野でヒット商品を生み、会長さんが陣頭指揮に立って販路の開拓をやったのです。とにかく商品を置いてもらうために、顧客の数を回り、またしつこく訪問した結果、販路を築けた過去の成功体験が、訪問件数こそ絶対だという考えを生んだのでしょう。

しかし、その商品もいまでは、定番商品となり、しかも流通が寡占化し、本部交渉が主な営業活動となったために、ただ訪問するだけでは通じなくなった時代変化を見落としてしまっていたのでしょう。
もっと訪問件数を増やせと号令をかけるより先に、見直すべきは取引している顧客の数の不足か、営業の人の数、あるいは店頭訪問の重点化などの営業活動の中味のほうだったのではないでしょうか。

しかし、営業である限り、顧客訪問してナンボの世界であることにかわりなく、商談の頻度と質のバランスのとれた適切な訪問件数を追及する視点が重要になってきています。それを割り出すには、実際の訪問件数と成果を比較できることが望ましいことはいうまでもないことです。SFAを導入すれば実際の訪問実績の見える化ができ、成果との比較もできるようになってきます。
それともうひとつは、訪問配分の問題があります。どのような顧客に重点を置いて活動配分をするかの決定も重要です。関係が良好でただ訪問しやすい顧客にばかりに偏った営業をしているとやがてビジネスが痩せてきます。
新規の顧客を開拓するのも重要ですが、しかし既存の顧客と新規顧客では、効率が大きく違ってくるのが一般です。新規開拓ばかりでは、時間と労力の割に売上も利益も上がらないこともありえます。新規顧客開拓にどの程度活動を割くのかも決める必要があります。

営業がどの顧客に重点を置いた活動をするのかは、かんたんに決めることができそうで案外難しい問題です。しかしそれを決めるのが営業戦略であり、営業方針です。

重点を、売上が大きい顧客に置くのか、利益の大きい顧客に置くのかだけでなく、なんらかの事情でチャンスを逃している顧客か、過去から安定した取引のある顧客か、あるいは将来性を見込むのかなど、重点配分を決める基準は複雑です。しかし、そういった問題も、SFAを導入し、仮説にもとづいて顧客分類を行なっておけば、ほんとうにどの顧客への活動で成果がでたのかも見えてきます。
SFAとは、メリハリの効いた営業活動をつくる、つまり営業の戦略化のためのツールでもあるのです。

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