ビジネスは生き物です。営業活動もまたしかりです。期待していなかった得意先で案件が取れることもあれば、順調に進んでいると思っていた案件が得意先の都合でペンディング状態となり売上見込が狂うことも、見込んでいた案件を失注することもあります。
運、不運はつきものです。それにもかかわらず目標を確実に達成してくる営業の人もいます。なぜでしょうか。理由はいろいろあるでしょうが、確実に言えることは滞ったり失った案件をカバーする案件をその営業の人はつねに持っているからです。
手持ちの案件は、ビジネスチャンスの在庫であり、将来売上の在庫です。手持ち案件が枯れると当然その先の売上も枯渇します。しかしいくらビジネスチャンスの在庫、将来売上の在庫といっても案件がどれくらい進んでいるのかが一様ではなく、収穫に結びつく確実性も異なっています。
売上を立てる寸前のところまで行っている案件もあれば、見積りをだしたばかりの案件もあれば、まだ最初に話を持ちかけ提案したばかりの案件もあります。いわゆる案件の進捗状況(ステータス)で、売上に結びつく確率がどれくらい見込めるのかも異なってきます。
案件型営業で、先の売上となってくる手持ちのビジネスチャンスをどれくらい持っているのか、どのステータスの案件がどれくらいあるのかを把握していなければ、売上も運任せ、出たとこ勝負になってしまいかねません。
だから案件型営業を行っている多くの会社で案件の「ステータス管理」が行なわれていますが、進捗の状態をどのように定義するかは会社によって異なります。
案件型営業でSFAを導入するメリットは、まずは翌月、翌々月、さらにその先の売上見込が自動的にわかることです。いちいち集計する必要がありません。
つぎにそれぞれの案件の進捗状況がわかることです。滞っている案件をいちはやく見つけることができます。それはなぜ滞っているのかの原因を探ることで手を打つことができます。またそれぞれのステータスで、どんなことが起こっているかを知れば、営業プロセスを磨いていくこともできます。
ところがそれだけではないのです。営業支援システム「アクションコックピット」のアナライザーを使うと、ステータス別に、次のステップに進んだ成功率や、最後の受注にいたった成功率がわかってきます。それでなにがわかるかですが、それぞれのステータスでどれくらいの案件を持つことが目標達成のためには必要かの目安を持てるようになるのです。
もちろん、過去の経験や直感で、ちょっと案件数が不足しているから、このままではネタ切れになる、もっと新規案件を仕込もうといったアドバイスをしてくれるマネージャーはいらっしゃいます。SFA「アクションコックピット」を利用すれば、それが事実やデータにもとづいて判断できるようになるのです。
それにステータスのステップアップの成功率やかかった日数を見れば、それぞれの営業の人の得意不得意もわかってきます。得意な人の攻め方を知れば、全体のレベルアップにもつながって来ます。
営業の人は、ニーズがあるかどうかを確かめる段階の案件、仕込中で、まだ見積り提出にいたっていない案件は隠したがるものです。それもカウントされてしまうと困るからです。「アクションコックピット」を利用すれば、適正な手持ち案件数という視点が生まれ、確実ではなくともステータス別に最適な手持ち案件を持っていることにきっと視点も営業活動も変わってくるはずです。
確実な売上目標の達成のための最も有効な視点は、手持ち案件というビジネスチャンスの在庫の実態を知り、適切なネタを持つ努力とステータスを確実に上げ、売上に結びつけていく努力だと言っても過言ではありません。